2017年7月9日、テレビ朝日系列『関ジャム 完全燃SHOW』では「勝手にミスチル論~プロたちが見たモンスターバンドの功罪~」をテーマにタブーなしで2017年で25周年を迎えたミスチル(Mr.Children)の凄さを語られます。
歌詞プロデューサー・いしわたり淳治さん、音楽プロデューサーの杉山勝彦さんとスキマスイッチらプロ達がミスチル(Mr.Children)の功罪を勝手にスゴさ、影響力、罪といった多角的な観点から徹底討論した内容について当たり障り無く紹介してみたいと思います。
- いしわたり淳治さんから見たミスチル(Mr.Children)論>>>青文字
- 杉山勝彦さんから見たミスチル(Mr.Children)論>>>オレンジ色
- スキマスイッチから見たミスチル(Mr.Children)論>>>緑色
ミスチル(Mr.Children)は「音楽のセオリーを壊す不良」だった?
ミスチル(Mr.Children)の「ルール無用の力技」とは?
いしわたり淳治さんの考察① ルール無用の力技
いしわたり淳治さんが音楽を始めたのは20年前で既にモンスターバンドとなっていたミスチル(Mr.Children)は「インフラ(日常に欠かせない物)」というイメージだったそうです。
ミスチル(Mr.Children)が活動休止中の時、いしわたり淳治さんも作品が作れていなかった経験をインフラの「水道」=「安全な水」の例えから「ミスチルが出す曲」=「名曲」という表現でミスチルが活動中は自分以外も含めて名曲が生まれやすいと説明していました。
「良い歌詞は収納が多い物件」と呼んでいる いしわたり淳治さんがミスチル(Mr.Children)歌詞を独自分析すると
世の中に出回っている曲の歌詞の9割は曲を壊さないようにパート毎で同じ文字数の歌詞にする暗黙のルールのような考え方で歌詞を作る事が多いが、ミスチル(Mr.Children)にはそれがないことから「ルール無用の力技」という分析を発表しました。
例えば、Aメロを繰り返す場合は大体が文字数が同じ
1Aメロ 君と見た空 (7文字)
2Aメロ 夕暮れの街(7文字)
いしわたり淳治さん曰く「文字だけ見ると何処がメロディー?というぐらいバラバラ」ということで同じAメロでも文字数がバラバラ(不規則な文字数)をミスチル(Mr.Children)の「名もなき詩」で説明していました。
「名もなき詩」Aメロ
ちょっとぐらいの汚れ物ならば
残さずに全部食べてやる(13文字)
Oh darlin 君は誰(5文字)
真実を握りしめる
「名もなき詩」Aメロ
こんな不調和な生活の中で
たまに情緒不安定になるだろ?(17文字)
でも darlin 共に悩んだり(8文字)
生涯を君に捧ぐ
いしわたり淳治さんのミスチル(Mr.Children)論
- 歌い回しを工夫して言いたいことをねじ込みながらも曲を崩さない
- 難しい歌い回しでも1度で口ずさめる
- 不規則な歌い回し=ミスチル(Mr.Children)の特徴
誰もが真似したいと思った事がある「メロディーにねじ込む早口の歌詞」の曲と言えば
「名もなき詩」
成り行きまかせの恋におち
時には誰かを傷つけたとしても
その度心いためる様な時代じゃない
誰かを想いやりゃあだになり
自分の胸つきささる
の部分が有名ではないでしょうか。
いしわたり淳治さんの考察から
メロディーに言葉をねじ込むとメッセージも強くなる
メロディーに間延びした言葉で収めるとメッセージが弱くなる
聴く人も言葉をねじ込まれることで「言いたい事なんだ!!」と受け取ろうとするからだろうと語っていました。
スキマスイッチの考察① 桜井和寿の歌い方に幅があり過ぎる!!
桜井和寿さんは1曲の中でもストーリーに合わせて歌い方を変えていると分析をしました。
桜井和寿さんはセオリー的な歌い方をせず、曲によっては喉を閉めて細くて切ない声を表現していると解説をしながら「HERO」の曲で解説。
Aメロは弱い主人公がサビでHEROになりたいが確信が持てない情景をファルセット(裏声)を使って歌い、大サビでは主人公はHEROである決意を決めてファルセット(裏声)を使わずに力強い地声で歌っていると歌声の変化を解説しました。
Aメロ:弱い主人公は「喉を閉めた歌い方」
サビ:HEROになりたいが確信が持てない「ファルセット(裏声)」
大サビ:HEROでいる決意「力強い地声」
そう思って「HERO」を視聴してみてください。
スキマスイッチのボーカル・大橋卓弥さんの考察は、喉で歌うことで喋りかけている雰囲気を表現し、地声で歌う事で主人公の意志を表現していると思うそうです。皆さんはどうでしょうか。
反戦や平和への願いが込められていると言われている名曲「タガタメ」では桜井和寿さんの歌声が劇的に変わります。Aメロは平穏な日常を切り取ったようなテーマから曲のラストでは大きなテーマに広がっていくにつれて喉を潰すぐらいな心の叫びで伝えようとしている。
「タガタメ」
スキマスイッチのボーカル・大橋卓弥さんのミスチル(Mr.Children)論は
- ストーリーに合わせ変える歌声から心に響く歌に表現している
作詞家・歌詞プロデューサーの いしわたり淳治さんから「タガタメ」には驚きの作詞テクニックがあると解説がありました。
「平和の歌」は作ると「道徳的・凡庸になりがち」で非常に難しく、日常と世界平和のつながりを段階を踏んで説明していく必要があるそうですが、桜井和寿さんは最短で完璧に作詞がされていると解説しました。
※いしわたり淳治さんの解説を「タガタメ」の歌詞の間に記載しています
「タガタメ」
ディカプリオの出世作なら~(省略)
眠ってしまうにはまだ早いだろう
自分の部屋から空を見上げ、目線を下に戻すと他人の話に変わっている
この星を見てるのは~(省略)
ある人はキスでもしてるんだろう
ある人とある人の話から気づくと子供の未来になって最短ルートで広い世界観の歌にしている
子供らを被害者に~(省略)
まずは何をすべきだろう?
2サビ
この世界に潜む
怒りや悲しみに
あと何度であるだろう
それを許せるかな?
明日 もし晴れたら
広い公園へ行こう
そしてブラブラ歩こう
手をつないで 犬も連れて
何も考えないで行こう
「明日 もし晴れたら 広い公園へ行こう」というもの凄い熱量で普通の事を歌い、被害者や加害者の話じゃなくて日常の幸せが大事が大事であると伝えようとしている手順を踏んでいると解説していました。
ミスチル(Mr.Children)は「手垢の付いたテーマ」とは?
いしわたり淳治さんの考察② 手垢の付いたテーマ
ものすごいスタンダードな言葉だけで名曲が作れるところがミスチル(MR.CHILDREN)の凄いところで衝撃を受けた曲が「常套句」だそうです。
一般的にミュージシャンは個性を出したがるが、一番手に入れるのが難しい技術こそが「誰にでも分かる音楽を格好良く作ること」だそうです。
「常套句」
君に会いたい 君に会いたい
何をしていますか 気分はどう
君に会いたい 君に会いたい
愛しています 君はどう
今日も 嬉しさと
悲しみの間を揺れている
という「常套句」は「会いたい」というこの世で一番多いのではないかというぐらいのありふれたありがちなテーマで奇抜な言葉を一切使わずに名曲を作り上げたミスチル(MR.CHILDREN)は奇抜にもスタンダードにも名曲を作れる。
「会いたい」をテーマにした歌を特別な歌にするにはスパイス(奇抜な言葉)が必要になるが彼らが日本を代表するポップミュージシャンである事の証明が「常套句」から伝わるのではないかと分析していました。
スキマスイッチのボーカル・大橋卓弥さんからすると「常套句」の曲は「会いたい」というあたりまえな言葉に「常套句」というタイトルを組み合わせたことで一新させられると皮肉にも聴こえると嫉妬感を明かしていました。
勝手にミスチル論を討論したメンバーはどんな人?
いしわたり淳治
ミスチル(Mr.Children)の曲を一通り聴いている いしわたり淳治さんが客観的に分析するとミスチルを意識しないでバンドをやるのは無理なぐらいに皆の心のどこかでは意識してしまう存在と評していました。
杉山勝彦
乃木坂46「サヨナラの意味」の作曲をはじめ、家入レオ、私立恵比寿中学、中島美嘉、AKB48、倖田來未など手がけてCDの総売上数は1200万枚以上と今注目の音楽プロデューサーですが、ミスチル(Mr.Children)に憧れて音楽の道を志し、同じツアーに3回行くミスチル(Mr.Children)から逃れられない男。
作曲家の目線で分析する前にミスチル(Mr.Children)の存在は作曲を意識しないでやっても「ミスチルを意識しちゃったの?」と声をかけられる作曲家あるあるだそうです。
スキマスイッチ
スキマスイッチは、桜井和寿さんと小林武史さんが主催する「ap bank* fes – Reborn-Art Festival」に参加して先輩後輩の間柄で最もミスチル(Mr.Children)に近いアーティストで高校時代は良く聴いて非常に影響を受けていた時代だったと語っている。
※「ap bank」とは桜井和寿さん、小林武史さん、坂本龍一さんの3人が拠出した資金を環境保護や自然エネルギー促進事業のプロジェクトを提案・検討している個人・団体に対して低金利で融資する非営利団体
番組「関ジャム」のサポートメンバー
- お笑いコンビ・千鳥 ノブ
ミスチル(Mr.Children)が好きすぎて挨拶にも行けない - チャラン・ポ・ランタン(アコーディオン奏者)小春
ミスチル(Mr.Children)のサポートメンバー
※サポートメンバーの呼ばれた理由は、たまたまトイレで見た雑誌のレビューに小春さんが載っていたのを覚えていたことがきっかけだそうです
ミスチル(Mr.Children)の名曲の歴史(一部を紹介)
ミスチル(Mr.Children)とは・・・
- CDの売り上げ枚数は5900万枚以上(オリコン調べ)
- 30作連続オリコン初登場1位
- 20年以上日本の音楽界のトップを走り続けているモンスターバンド
歴史の始まりは切ない夏を歌う1stシングル「君がいた夏」
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※デビュー作はミニアルバム「EVERYTHING」
桜井和寿がインタビューで「100万枚売れる」と発言!?初のミリオン作品「CROSS ROAD」
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※4thシングルで125万枚を売り上げて初ミリオン作品となりました
ミスチル(Mr.Children)の転機となった不朽の名作「innocentworld 」
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※売り上げ枚数193万枚で年間シングルランキング1位を獲得した作品で、歌詞に関しては、いろんなことに辻褄合わせたりしている自分の内面みないなものを初めて出した曲となる
誰もが聴いた事がある!!ダブルミリオン2連発 ①「Tomorrow never knows」
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※ドラマ「若者のすべて」の主題歌。売り上げ枚数は276万枚
誰もが聴いた事がある!!ダブルミリオン2連発 ②「名もなき詩」
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※売り上げ枚数230万枚で1996年シングルランキング1位を獲得し、2番のサビで桜井和寿さんが伝えたい「愛」に対するメッセージに注目
形のない愛を歌う2000年代の名曲「NOT FOUND」
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※当時最速でシングル総売り上げ枚数が2000万枚突破
紅白初出場も!!オリンピックのテーマ曲「GIFT」
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※NHK「北京オリンピック」のテーマ曲。選手だけでなく日常を一生懸命暮らす人にどう届くかを考えた作品
デビュー25周年 2年2ヶ月ぶりのシングル「ヒカリノアトリエ」
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※NHK朝ドラ「べっぴんさん」の主題歌。レコーディングにはチャラン・ポ・ランタン(アコーディオン奏者)小春さんも参加している
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