2018年1月21日、TBS系列『情熱大陸』ではオーダーメイドの硯製作から修理・復元まで全てを手掛けて頭の中は四六時中“硯”でいっぱいになる書道用具専門店「宝研堂」の4代目でイケメン製硯師・青柳貴史さんが出演です。
出典:https://www.facebook.com/jounetsutairiku/
16歳の頃から祖父の青柳保男さんと父親・彰男さんから作硯を師事されてから日本、中国、各地の石材を用いた硯の製作・修理・復元を行う傍ら硯文化に関する講演やデパートの催事場などで硯の実演彫りも行う硯(すずり)作りの貴公子・青柳貴史さんや夏目漱石の硯について当たり障りなく紹介してみたいと思います。
書道用具の硯と青柳貴史の職業・製硯師とは?
ほとんどの人は、学校の習字の授業の時に触れてことがあるだけではないでしょうか。墨をすらずに墨汁を使っていたところもあると思います。現在は、学校で使用している硯はセラミック製品が主流だそうです。
習字に習うことで何が得られるか考えてみると賛否両論はあると思いますが
- 正しい書き方・正しい書き順が身について綺麗な字が書けるようになる
- 集中力が身につく
- 正しい持ち方・正しい姿勢が身につく
- 基本的な礼儀作法が身につく
- 創造力・忍耐力が身につく
経験者や子供に習字を習わせていた人たちの多くが習字から身につけられていると語られています。
今回の『情熱大陸』で特集された書道用具専門店「宝研堂」の4代目でイケメン製硯師・青柳貴史さんですが、製硯師って何?と思った人はこのまま読んでいただけると幸いです。
硯(すずり)は、墨堂を水で磨りおろすために石や瓦で作られた文房具でした。現在は硯材(石材)を研磨して平たくしたものが主流で(手入れをすれば)半永久的に使えます。
手入れ方法
- 鋒鋩(ほうぼう)*を立てる※墨を削る硯の刃
磨墨することで鋒鋩のよ弱い硯石は人工で加工してつくった硯面の目には見えない凹凸が磨滅した場合は泥砥石を使って目立てをする - 綺麗に洗う
書道で使う硯に良し悪しがあるのかと思った人もいると思いますが、鋒鋩(ほうぼう)きめ細かく強いことによって硯の良し悪しで決まり、墨色に影響がでます。
硯材の種類には大きく分けて中国と日本で採取されています。
中国5大名硯
- 端渓硯(たんけいけん)
唐代(618年~907年)から端渓の石が硯に使われるようになってから宋代(960年~1279年)に量産されるようになって一躍有名になった。中国広東省広州の西方100kmほどのところで採掘され、老坑・坑仔巌・麻仔坑・宋坑・梅花坑・緑石坑の順にランクが下がる - 澄泥硯(ちょうでいけん)
澄泥硯の産地はかなり広く、古絳州(現・山西省新絳県)より始まった説と古カク州(現・河南省霊宝県)より始まった説があるそうです。明代中期以降から蘇州の霊厳山一帯からから採れる自然(天然)石といわれている。 - 紅糸硯(こうしけん)
中国・山東省青州の黒山で発見されてから宋代頃に良質の原石が枯渇して現存するものは少なく、黄褐色に紅色の糸状の模様が特徴。
※現在、紅糸硯の名称で安価に販売されているものは土瑪瑙石という偽物の可能性が高いので注意が必要 - 松花江緑石硯(しょうかこうりょくせきけん)
吉林省松花江上流域で採掘され、清の時代に名品が多いといわれている。緑・黄色系の縞状の模様が特徴。 - 歙州硯(きゅうじゅうけん)
中国・江蘇省南京市の南200kmの歙県(きゅうけん)で採掘。蒼みを帯びた黒色で石質は硬くて叩くと端渓よりも金属的な高い音をするのが特徴。採石期間が短かったため現存する歙州硯は極めて少ない。
日本産の和硯(わけん)
- 那智黒石(三重県熊野市)
- 雨畑(山梨県巨摩郡)
- 玄昌石(宮城県桃生郡雄勝町)
- 若田石(九州・沖縄地方、長崎県)
- 赤間石(山口県宇部市)
- 雄勝石(宮城県石巻市)
若田石硯は、紫式部が源氏物語を執筆する際に愛用したと伝えられていたり、赤間石と雄勝石は100年以上の歴史があるが、宮城県石巻市の旧雄勝町地域が2011年3月11日の東日本大震災で損害した事で雄勝石の採掘が中断して入手は困難になっていた。
WIKIPEDIAより詳しい?青柳貴史のプロフィールと経歴・学歴
出典:http://houkendo.co.jp/suzuriten/
名前 | 青柳 貴史(あおやぎ たかし) |
生年月日 | 1979年2月8日 |
出身地 | 東京都浅草 |
血液型 | |
身長 | |
体重 | |
出身高校 | |
出身大学 | |
趣味 | 車、ガンダムが大好きでプラモデル塗装 チェロ、日曜大工、語学 |
好きな食べ物 | 鴨せいろ蕎麦 |
職業 | 宝研堂内硯工房四代目製硯師 大東文化大学文学部書道学科非常勤講師 |
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幼い頃から絵を描くのが好きだった青柳貴史さんは、小学生時代に祖父と父の仕事風景を絵に書いて宿題提出した際に祖父の青柳保男さんと父親・彰男さんの黙々と作業に取り組む姿が印象的だったそうです。
高校に入学してからは、祖父の青柳保男さんの手伝いをするようになってから硯のことを少しずつ教えられて製硯師になろうと思うようになり、大学は中国での石の買付けに役立つと思って中国語学科に進学。
大学3年生の時に病に倒れた祖父の青柳保男さんが意識がはっきりしない中でも青柳貴史さんに硯作りを教えようとする姿と職人魂に心打たれて製硯師になりたいと決意しました。
祖父の青柳保男さんが亡くなって数日後に父親・彰男さんに弟子入りを願い、大学を中退。弟子入りをしてから一度、他の場所で勉強がしたいと申し出たそうですが父親・彰男さんから
「うちには古い優れた硯がたくさんあり、それに触れることが一番の勉強だ」
と言われたそうです。今となっては青柳貴史さんも恵まれた環境であると実感しながら、より良い硯作りを目指すだけでなく次の世代に硯作りの技術や知識を伝え、書道文化の発展に貢献するために講演やデパートの催事場などで硯の実演彫りなど行っています。
【店舗情報】
会社名:株式会社 宝研堂
住所:東京都台東区寿4-1-11
電話番号:03-3844-2976
FAX:03-3844-1387
定休日:第2、4、5日曜、祝日
営業時間:9:00~18:00(月曜~土曜)/ 10:00~17:00(第1、3日曜)